《建てよう会》30代でこだわりの家を建てよう

《建てよう会》30代でこだわりの家を建てよう

そして、母に連れて行かれた先は、実家から徒歩一分の建て売り住宅。
確かに近い。シングルマザーの私には実家に近いことは有利です。

不動産屋さんに、家の中もすぐに見せてもらえました。
感想は…第一印象が暗い!外観も黒が基調のモダン調で、インテリアもモノトーン。
黒い床。白い壁。コントラストが強すぎて落ち着かない。
母は黒い床ってきれいじゃない、とは言ったのですが、
どうも、私は、毎日見ていたら気が滅入りそうな予感がしてしまいました。
色って、どうしても気持ちを大きく左右すると思うから。
間取りも決して広くはないのに、細かく区切られていて、動きにくそう。
価格を抑えるためなんだろうけど、なんか窮屈な感じ。

「で、どうするの?」と、決断を迫られる私。
実家から近いのはすごい魅力的だけど、この家、なんか違う。

「じゃ、まだ他の敷地も空いてますから、そちらで検討しますか?」
と言われ(建て売り住宅って、こういう風に誘導するためのものでしょうけど)、
さらに、実家に近い角地を勧められる。
全然土地のことって、わかんないなあ。
どうしよう。私一人で決めないといけないのはきつい。

それでも、家を建てるということを少し考えたとき、
確かに今住んでいる賃貸の家に払っている分を持ち家に払う方が有意義に感じると思うし、
住んでいて感じる不便さ(結露や、気密性のなさ、温度調整がうまくいってない。
子供たちの成長につれて間取りが合わなくなる予想など)は確かに存在していました。



そして、ここ数年私が感じていること。
それは、人はいつかこの世を去っていくということ。
ある人が亡くなり、そのひとの周りにあった物だけが残るけれど、
これもいつかはきっとなくなってしまう。

じゃあ、残るものってなんだろうかって考えると、その人との「記憶」だけなのかなあ、と。
それならば、よい思い出をたくさん作っていきたいと思うようになったのです。
これは、亡くなった人たちだけでなく、今はもう会えなくなった人たちにも共通すると思う。

それに、あと10年ちょっと経ったら、子供たちも私の元を離れていくということに気がつき、
それならば、これから10年でこの子たちといい想い出を作っていきたい、と思うようになりました。

そのために、家を建ててもいいのかも、と思い始めました。




2009/07/24 22:26:Copyright (C) くろーばーはうすのおはなし
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